こんにちは、営業の大林です。
年をまたぎ、すでに来年度のことも気にかかりはじめてはいます。
すると、去年の自分はどうだったかと、思い巡らすことがおおいです。
去年の自分にとって、個人的には競馬がおおきな経験でした。
出馬表(出走する馬の一覧)を見ていつも楽しみなのは馬名です。
馬名といえば、オグリキャップ、ハルウララ、近年ではオルフェーブルや
ディープインパクトなど、競馬は観なくても聞いたことがある名前もある
のではないでしょうか。
(騎手の武豊氏も有名ですね。)
気に入った馬名があるとついその馬の馬券を買いたくなりますが、
馬名も調べてみると、おかしいというか、愛嬌があります。
たとえば、「レシーバー 」という馬名があります。
なぜレシーバーかというと、父馬の名前が Phone Trick で、
この祖母にあたる馬の名前が Over the Phoneだからです。
血統的にPhone繋がりなので、
この子の名前は電話の受話器、レシーバー Receiverにしよう、
というノリですね。
ちなみに、異母兄弟には Phone Booth(電話ボックス)、P
hone Chatter、Record the Call などもいて、
いっぽうでは、全妹(父母が同じ)にEra Goddess(女神の時代)という
カッコイイ名前の仔もいます。
(競馬関係者のネーミングセンスは振れ幅がおおきすぎる….。)
ネーミングは競馬関係者(たぶん馬主)の趣味ですが、
競馬を観る側も馬名で遊びます。
例えば、去年の11月12日に開催されたエリザベス女王杯では、
「マリアエレーナ」という美しい馬名の馬が出走しました。
そのころは、阪神タイガースが
38年ぶりに「アレ」をして盛り上がっていた時期です。
賭けごとが好きな一部の競馬ファンは、
この馬に賭けましたが、その理由が秀逸でした。
まず、マリアエレーナには本レース出走馬のなかで
唯一「ア」と「レ」が入っています。
また、「アレ」は競馬的には「荒れ」となり、
人気のない馬がレースに勝つことを指します。
マリアエレーナは出走馬15頭中の7番人気だったので、
たしかに上位人気とは言えません。
さらに、本馬の騎手はこのとき三浦騎手、当時満33歳。
マリアエレーナの年齢は5歳なので、足せば38になります。
38の「アレ」の「荒れ」で馬券を買う、
というコメントをネットで見かけたときは、
さすがに「天才か!?」と叫びました。
(ちなみにマリアエレーナは結局15着、最下位でした。)
また、柳瀬尚紀という英文学者・翻訳家は、日本翻訳文化賞も受賞した大家ですが、
『GI出走馬 馬名読本』(1998)という奇書(?)も出しています。
そこでは馬名について短評がつらつらと書かれてますが、
例えば次のような言葉遊びをしています。
ショウリノメガミ「勝利の女神」は純国産名。
最も有名な勝利の女神はギリシア神話のニケだろう。
権威ある国語辞典で<ニケ>は<逃げ>の直前の登録語。
逃げ馬よりさらに先着か。(1)
※レース序盤から先頭で走り続けることを「逃げ」と言います。
キングヘイローKing は王。ヘイロー Halo は後光。
母グッバイヘイローは米国で数々の勝利に輝いた名牝。
King Halo の馬名は他馬を
hang kilo (キロ遅れ)に圧倒するくらいまばゆい。(2)
馬名がよくても当然ですが勝つとはかぎりません。
ですが「名は体を表す」とも言いますし、たかが名前、されど名前です。
(キングヘイローは名血統ながら連敗し、それでも最後には不屈の勝利をあげた名牝です。)
弊社で扱っている印刷機、ハイデルベルグ社製の「スピードマスター」シリーズは、
ドイツ語に直せば「シュネルマイスター Schnellmeister」です。
去年引退した競走馬にも「シュネルマイスター」という馬名の馬がいました。
所詮は言葉あそびですが、仕事と趣味のつながりを見つめると
ついニヤついてしまいます。
いろいろ調べてみると、機械名から読み取れるもの(楽しめるもの)は
意外とありそうです。
続きは後半で。